NFTは基本的にうまくいかない。
そんな話を聞くなかで、価値を上げ続けているNFTが『CNP(CrptoNinja Partners)』です。
CNPは、2022年5月に0.001ETH(当時約300円)でリリースされ、わずか半年で最低価格が1ETH(約20万円)を超えるコレクションとなりました。
CNPがここまで価値を上げ続けているのは、「NFTに早期参入したから」ではありません。
CNPの価値上昇の理由は、「バー忍(キャラ変更)」や「CNP Friends(スマホアプリ)」など、NFTを使った斬新な施策を次々と打ち出してきたからです。
NFTプロジェクトに興味がある人なら、どうすればCNPのようにプロジェクトがうまくいくのか知りたいですよね?
そこで今回は、CNP代表のroadさんにインタビューをしました!
roadさんがCNP運営をするなかで気をつけていることや今後の展開、roadさんのご経歴についても教えていただきました。
記事を読めば、NFTプロジェクトがうまくいくヒントが見つかるはずです。
<聞き手:NFTコンパス編集長 コヤ>
CNP代表 roadさんとは?
CNPの話を聞く前に、まずはroadさんのご経歴から。Twitterでroadさんのプロフィールを見ても、あまり詳細については語られていません。
いったいroadさんは何者なのか。聞いてみました。
roadさんのご経歴は?
roadさんが一体どういう方なのか気になっている方も多いと思います!
まずはご経歴から教えてください!
私は今、「株式会社バケット」というIT企業の社長をしています。
今の会社を立ち上げて、15年くらいになりますかね……
そして起業するまでに転職を2回経験しました。
電話会社→大手コンビニのインターネット会社→大手インターネットサービス会社
というような形です。
会社を立ち上げてから15年!?
すごいです……
そもそも「いつかは起業をしたい!」と思っていたんですか?
「なるべくしてなった……」という感じでしょうか。
私は生まれが田舎の方なんですが、田舎って事業者が多いんです。
私の親戚も全員事業者だったので、「いつかは自分もしたいなぁ」という思いはありましたね。
転職も「起業するにはどうすれば良いか」という考えで行ったんでしょうか?
まさにそうです!
「この会社では〇〇なことを学びたい」という目的で転職をしました。
新卒のときはそこまで頭が回らず、成り行きでしたが(笑)
「いつかは起業したい」という意志を持っていたというのに驚きです。僕は会社員として働くことしか学生時代考えていませんでした(笑)
ちなみにroadさんは、「リアル×バーチャル」という組み合わせに興味を持ち、2回転職をしたそうです。
会社ではデジタルマーケティングの仕事をしている
現在経営されている会社では、どのようなお仕事をしているんですか?
デジタルマーケティングの支援を中心に仕事をしています。
企業のSNSの運用代行であったり、メディアの編集を代行したり、そういったお仕事をしています。
とても興味のある分野です!
CNPのお仕事もあって、かなり忙しいんじゃないですか……?
ここ半年は忙しかったですね(笑)
でも今は、会社のフルリモートの調子がかなり良かったり、仕事を整理したりしたので、だいぶ楽になりました。
(フルリモート環境羨ましいな……)
roadさんの今のメインのお仕事は、CNP事業なんですか?
CNPがメインですね!
それ以外のお仕事は社員の方におまかせしています。
roadさんの名前の由来は、NinjaDAOがきっかけだった!
ちなみにずっと気になっていたのですが、roadさんの名前の由来はあるのでしょうか?(笑)
これはですねぇ、あります(笑)
名前のきっかけは、NinjaDAOなんです。最初にNinjaDAOに入るときに、何かテーマを決めて入った方が面白いと思ったんですよね(笑)
テーマですか……!
そのテーマが「手持ちのETHが0から、CryptoNinjaのオーナーになれるのか」というものだったんです。
それでそのテーマに合わせて作ったブログが『road to CryptoNinja』で、そこからroadになりました(笑)
なるほど!!
めちゃくちゃしっくり来ました(笑)
結局それでCryptoNinjaのオーナーにはなれず、別のやり方でオーナーに選ばれることができたんですけどね(笑)
個人的にずっと気になっていたroadさんの名前の由来が聞けて、満足でした!(笑)
roadさんはその後、CryptoNinjaのファンアートシステム『Ninjart Platinum Collection』を作ったことで注目され、CryptoNinja#027 カルラのオーナーになりました。
roadさんがNFTを始めたきっかけは?
roadさんの今まで明かされていなかったご経歴について聞くことができました。
しかし「なぜroadさんがNFTを始めようと思ったのか」がまだわかっていません。
roadさんが今経営されている会社のデジタルマーケティングとNFTは関連がありそうですが……。どういう経緯でNFTを始めたのか気になりますよね?
詳しく聞いてみました!
NFTを始めたのは2021年の9月ごろ
roadさんがNFTを始めたのは、いつ頃だったんでしょうか?
NFTを始めたのは、去年(2021年)の9月ごろですね。
私、仮想通貨にはあんまり興味がなかったんですよ。
なんかちょっと投資っぽいじゃないですか(笑)
分かります(笑)
僕も仮想通貨自体は「投資っぽいな」と思って、始めていなかったです。
そうなんです。だから仮想通貨とはすごく遠いような状況でした。
だけど9月ごろに、
イケハヤさんが「NFTを始めました。」「CryptoNinjaを始めました。」とツイートしているのを見かけたんです。
それが気になって、NFTを始めました。
まだ僕がNFTという言葉すら知らなかったときですね……
NFTを始めた理由は、デジタルマーケティングの新しいカタチになると思ったから
いろいろなお仕事をされているなかで、roadさんがNFTを始めようと思った理由はありますか?
「今後のデジタルマーケティングとして、NFTが使われる可能性がある」と思ったからです。
デジタルマーケティングの今のやり方って結構疑問に思うことが多いんですよ。
たとえばTwitterのプレゼントで「加湿器をプレゼントします!」みたいなのってありますよね。
あ〜よく目にしますね!
ああいうTwitterのフォローを狙ったプレゼントって、商品代よりも発送代のほうが高くなったりするんです。
そして何よりも「加湿器はそんなにいらないでしょ」って思うんですよね(笑)
たしかに加湿器はそんなにいらないです(笑)
もうそこまでするなら、プレゼントもデジタルで完結したほうが良くないかって。
あとはロイヤルカスタマーを増やすために、高いお金を払って企業がコミュニティ運営をすることもあるんですよね〜。
そういうのにも疑問感じていて……
そういう疑問を解決するのが、NFTだと思ったということでしょうか?
その通りです!いまデジタルマーケティングで感じている疑問をNFTなら解決するんじゃないかと!
それでNFT市場のシェアが高まる前に、NFTの勉強をしようと思い、今に至ります。
CNPを始めたきっかけは?
それではいよいよCNPについて、代表であるroadさんにお話を聞いていきます。まずはCNPを始めようと思ったきっかけについてです。
roadさんが、CNPプロジェクトを始めたのはいつ頃なんでしょうか?
今年(2022年)の1月ですね。
その時期に、今も使っているCNPのメインチャンネル「office-ジェネラティ部」を立ち上げました。
まだ今年の出来事なのが、信じられないです……
立ち上げようと思ったきっかけはあるんですか?
きっかけは、私がCryptoNinjaのオーナーになれたことです!
せっかくオーナーになれたことだし、「何か貢献したい」と思ってNFT勉強会を立ち上げたんです。
その勉強会のテーマをジェネラティブ(※)にしたんですよね。
当時の海外NFTはジェネラティブが大人気。国内はまだ1点ものがメインだったので、今のうちに情報をみんなで集めようという目的でした。
※ジェネラティブとは、プログラムにより一度に大量のNFTを発行するコレクションのこと。
最初はジェネラティブの勉強会という名目で立ち上げたんですね……!
そうなんですよ!
なのでジェネラティブの情報を集めつつ、テスト的にジェネラティブを作ってみようと考えていましたね。
それでいつかNinjaDAOから本格的なジェネラティブが生まれたときに、サポートできるようにしよう!と。
いまはサポートではなくて、CNPがメイン事業ですもんね!(笑)
いや〜どうなるかわからないもんです(笑)
最初は100個くらいでリリースするつもりが、最終的には22,222個のNFTをリリースすることになりましたからね(笑)
CNPのもとのきっかけが、「ジェネラティブを勉強しよう」だったとは。驚きです。
CNPをリリースする前で大変だったことは?
CNPをリリースする前で大変だったことはありますか?
意見を取りまとめて、プロジェクトを成立させるのが大変でしたね〜。
ありがたいことにリリース前からたくさんの意見をいただくことができたんですけど、それを集約させて目的がブレないようにするのは難しかったですね。
いろいろな意見をまとめて、方向性を決めるのは大変そうです……
あとは仕事の漏れを対応するのも結構大変でした。
もともと役割分担はしていたんですが、どの役割にも分類されないような仕事っていうのが出てくるんですよね。
そういう漏れに対応する、穴を塞ぐ作業がありましたね(笑)
結構そういう仕事っていろいろありそうですね……
たとえばどういうお仕事がありましたか?
生成された22,222個のNFTを確認する作業とかですかね!
ジェネラティブってプログラムでパーツを組み合わせて、自動生成されたものになるんですけど、できたものを確認する作業をやりましたね……
え、22,222個全部ですか!?
そうですね(笑)
リリースの数日前に「やらないと!」ってなって、やりました。
結果的に20個くらいエラーみたいなのが起こっていましたね〜
22,222個の確認なんて、絶対にムリ……
NFTの事業は未知の領域のため、役割が決まっていない仕事も生まれやすいです。そういう仕事の漏れが生まれたときに、代表が率先して対応するのが大事だと学びました。
CNP代表としてプロジェクト運営で気をつけていることは?
NFTプロジェクトを成功させたいなら、プロジェクトを一人で運営するのは不可能でしょう。やはりチームで運営していくことが大事になるはずです。
しかし運営は簡単ではありません。チームがうまく回らなければ、意見をまとめきれず分解してしまいます。
きっとここまでCNPの成功要因として、roadさんがCNP代表として運営で気をつけていることがあるはず……
そこで経営者でもあるroadさんが、CNP代表として気をつけていることを聞いてみました。
ズバリ、roadさんが運営として気をつけていることをなんでしょうか?
やっぱり意見を出しやすい雰囲気ですよね。
どんな意見が出てきても、まずは受け止めることを大事にしています。
意見が出てこないと先に進めないですもんね……
「office-ジェネラティ部」の初期をさかのぼると、roadさんがどの意見にも返信しているように感じました。
そうですね。
まずは意見を出してもらってことに対して、しっかり反応することを大事にしていたかもしれません。
でも意見がたくさん出てくると、まとめるのが大変そうですが……
その点は、『合意形成』という考え方を大事にしています!
プロジェクトを進めるときに、軸を持っておくんですよね。
みんなの意見を全部入れちゃうとプロジェクトが発散してしまうので、集めたアイデアを組み合わせて、ロジックが通ったものを私の方から戻すっていうことはずっと意識しました。
『アイデアを組み合わせて、ロジックが通ったものにする』。これはなかなか難しそうですけど、意見が出しやすい雰囲気作りであれば、誰でも意識してできそうですね!
これからNFTプロジェクトを始める場合も、「意見の出しやすさ」を意識すると良さそうです!
CNPのアイデアがたくさん浮かぶ秘訣は?
CNPと言えば、誰も想像できないようなNFTを使った斬新なアイデアが特徴です。
「バー忍」や「ふるさとCNP」、「CNP Friends(アプリ)」などは海外でもあまり見ないような事例ばかり。このようなアイデアが浮かぶ秘訣は何なんでしょうか!
roadさんはどうしてそんなにアイデアが浮かぶんですか?(笑)
もうずっと考えているんですよね(笑)。
たとえばファミレスに行ったときは、ファミレスの仕組みやメニューの意図なんかを子供に説明するんです(笑)
あとは球場に行ったときには、何万人も裁くオペレーションの仕組みなんかをずっと観察して理解しようとしています。
すごい!常に観察なんですね……
アイデアは日常にあるので、それをストックしておく感じです!
あとは「office-ジェネラティ部」で投げかけると、たくさんのアイデアが出てくるので、それもありがたいですね。
ただ大事なのは、それをまとめることなんです!
さっきの「合意形成」の話ですね!
そうです!
出てきたアイデアをまとめて企画にする。それをCNPの課題解決に繋げるんですが、たまに一つの企画ですべての課題を解決するものが作れることがあるんですよね!
既存のキャラを新キャラに変える「バー忍」は、
- 「CNPが継続的に注目されるにはどうすれば良いか」
- 「人気のない価格が低いキャラクターをどうすれば良いか」
これら2つの課題を一気に解決する施策だったみたいです!
アイデアは日常の気づきから生まれる。
日頃僕たちが便利に感じているものに関して、便利に感じる理由を考えて引き出しにしまっておけば、それをNFTで生かすことができるかもしれません。
roadさんとイケハヤさんのご関係は?
CNP事業を進めていくなかで、注目されるのがroadさんとイケハヤさんの最強タッグです!TwitterやVoicyの情報だと、もともと二人はCNPを始める前から関係があったみたいですが……
roadさんとイケハヤさんは、もともと関係が深かったのでしょうか?
いや、ほとんど関係はなかったですねぇ……
5年前くらいにうちの会社のクライアントに、イケハヤさんを紹介したことがあったくらいでしょうか。
あとは会社でやっていたサービスで『FANCLOVE』というものがあるんですけど、そのサービスについてお話を伺いに1度四国で会ったことがありましたね!
私は出身が四国で、イケハヤさんもいま四国に住んでいるので。
なるほど!
ではそこまで密に関わりがあったわけではないんですね!
そうですね。
最初Ninja DAOに入ったときは、私は自分のことを隠していましたし(笑)
昔仕事で関わりがあった人と、Web3やNFTを通じてまた巡り合うなんて、本当に素敵です!
CNPに関しては、どういう役割分担でやられているんですか?
プロダクトを作ったり、打ち手を考えるのが私の役割。
それをたくさんの人に理解してもらって、実際の数字を作るのがイケハヤさんの役割。
といった感じでしょうか。
0→1がroadさん、1→100がイケハヤさんみたいな認識ですかね?
そうです!そんな感じです!
roadさんが出した新しい企画を、イケハヤさんがたくさんの人に伝える。
お互いの強みを生かしてプロジェクトを進めていることも、CNPが魅力的な理由の一つです。
このような強みごとの役割分担は、CNP以外のNFTでも重要と言えるでしょう!
CNPの今後について
わずか半年でCNPの価格を0.001ETHから1ETHにしてきたroadさん。今後のCNPについてどう考えているのでしょうか。
最後に今後のCNPの展開について教えて下さい!
私がCNPで思い描いている構想は3つあります!
1. 事業化
まずはCNPの事業化をもっとしていきたいです。
今のロイヤリティビジネス(※)から早く脱却したいですね!
ロイヤリティビジネスに依存した状態では、かなり不安定ですから。
※ロイヤリティビジネスとは、NFTが流通するごとに、取引価格の数%がコレクション代表者に入る仕組みのこと。
ロイヤリティビジネスの脱却のために、考えていることはありますか?
やはりIP(キャラクタービジネス)化ですね。
この半年くらいでもっと強化していきたいと思っています。
キャラクター自身に活躍してもらえるような、そういうことをやっていきたいです。
2. 多角化
2つめは多角化です!
NFTっていろいろな要素がありますよね。
IPとか、投資とか、エンタメ性とか。
まだまだNFTのポテンシャルってあると思うので、可能性を絞らずにいろいろ挑戦していきたいです。
たしかにNFTでできることって、まだまだいろいろありそうです……
そして最終的には、マルチジェネレーションを目指したいです!
子供から大人、おじいちゃんまでNFTを楽しめるような、そういうのを作っていきたいですね……
子供はキャラクターとして楽しんで、大人は投資として楽しむみたいな。
3. 海外展開
3つめは、海外展開ですね。やはり海外は視野に入れています。
でもこれにはステップがあって、まずは海外でもIP(キャラクター)としてCNPを知ってもらいたいです。
IPを好きになって、もっと深く知りたいと思ったら、NFTを買ってもらうというような導線にしたいですね。
「いきなりNFT」という展開はしないということですね!
そうですね!
いきなりNFTで展開したら、ただの数字あそびになってしまう気がするので……
まずはIPとして知ってもらえるようにしたいです!
- 事業化
- 多角化
- 海外展開
この3つの展開について、CNPでどういう施策を打つのか楽しみです!
roadさんが言っていたような、課題を一気に解決するような驚くような展開もありそうですね!
ーroadさんインタビューありがとうございました!
NFTプロジェクト運営で大事な3つのこと
今回のroadさんのインタビューで学んだこと「NFTプロジェクトで大事なこと」は次の3つです。
- アイデアは日常にある。「なぜそれが役立つのか、便利なのか」自分が利用しているものについて考えることが大事。
- プロジェクト運営では、アイデアを出してもらうように意識する。
- プロジェクトが分解しないように、アイデアをまとめることも大事。プロジェクトの軸を意識する。(合意形成)
いきなり全てを意識せず、自分ができることから始めて、コミュニティや会社で新しいプロジェクトを始めてみても良いかもしれません。
今後のCNPの展開についても、要注目です!